実践で使えるようにするためのコマンド練習

オスワリ、フセなどのコマンド練習は、ただ家の中でおやつを使って練習するだけでは、初めての場所や来客で興奮している時などは出来ないことがほとんどです。

いつでもどこでもコマンドを出来るようになるためには、指示の確実性をあげる練習をすることが大切になります。

・指示の確実性をあげる

指示をきちんと理解しているか

まず、指示を理解できているかの確認ですが、具体的には

1回の指示で、すぐに反応する(目安は3秒以内)

が出来るかどうかが目安です。

例えば、オスワリと言ってから5秒後に座った場合、指示に反応したかどうかは怪しくなります(たまたま座っただけかもしれない)

反対に、おやつを用意していたら座り始めているとか、「〇〇ちゃん、オスワリ」と指示した時に、「〇〇ちゃん」の時点でもう座っているという場合も、「オスワリ」の前に座ってしまっているので「オスワリ」の言葉を覚えているわけではない、という事になります。

1回の指示で出来るというのは、実はなかなか難しいです。

指示を覚えているようで、実はなんとなくで動いているという事はよくあるので、ちゃんと指示に反応して行動しているかどうかを確認しながら練習しましょう。

※指示(コマンド)の種類は手の指示(ハンドシグナル)と声の指示(ボイスシグナル)の2種類があります。

手の指示も声の指示も、どちらでも出来るようになっておくとより良いですね。

まずは家の中、気の散らない状態でコマンド練習を行い、コマンドを理解して出来るようになることが第一で、それが出来たら、次にいろいろな状況での練習をしていきます。

 

いろいろな環境で練習する

指示を理解出来ているようなら、次は練習をする場所をいろいろと変えて練習していきます。

※初めての場所や、環境が変わったり、人混みなどの場所では、周りの人に気を取られて集中しにくかったりと、いつも家で出来てることでも出来なくなりやすいです。

練習をした時の状況ごと学習するので、実際に座ってほしい状況に近づけて練習すると良いです。

<場所>

家の中 : リビング、廊下、玄関、洗面所、その他の部屋など。ケージの中でのオスワリ練習もおすすめです。

家の外 : 庭、家の前の道、公園、普段歩かない道。舗装された道、草むらなど。普段行く公園と、たまに行く公園でも差が出やすいです。

<時間帯>

朝、昼、夜…人の動きや周りの明るさによって気が散ったり逆に集中しやすかったりします。

登下校や通勤など、特定の時間帯で変化がある場合もあります。

<人・犬の有無>

周りに人がいるかどうか、混雑しているか閑散としているかという事も、集中のしやすさに差が出ます。

基本的に、周りに人がいる方が集中しにくいですが、犬によって、人がたくさんいてザワザワしてるような環境が苦手な場合もありますし、パラパラとまばらに人がいる方が一人一人を気にしてしまう場合もあります。2,3人で話しながら歩いてる人がいると気になるという事もありますね。

また相手との距離も、近い方が気にするでしょう。距離が遠ければ、気にしなくなりやすいです。

そのまま通り過ぎる人と話しかけてくる人によっても違いますし、服装や持っている物、歩き方などで気にしたり気にしなかったりもあります。

犬の場合は、相手が大型犬か小型犬かなどのサイズや、知り合いの子か初めましての子かによって反応が違ってきます。

<その他>

人が何か物を持っている時(食器やおやつ、おもちゃ、リード、初めて見る何かなど)

周りで気になる音がする時(吠え声、人の話し声、チャイム、サイレン、ドライヤーや掃除機など)

葉っぱが落ちているなど、床(地面)に気になるものがある時

指示の難易度をあげる

同じ指示でも目標を難しくすることが出来ます。

・指示の反応を早くする(3秒ギリギリにゆっくり動く→1秒くらいでスッと動く)

・指示をする人との距離をのばす(遠くなるほど難しくなる)

・継続時間をのばす(マテの待たせる時間を長くしていく)

・連続で指示を出してみる(毎回ご褒美をあげていたのを、ランダムにするとさらに良い)

オスワリ→フセ→オスワリ、など旗揚げゲーム風に指示を出しても良いし、同じコマンドをちょっとずつ場所を変えながら出しても良いですね。

わりと「一つ指示を出したら終わり」と覚えていて、一つ出来たらさっさとどこかへ行ってしまう子も結構います。連続で指示を出すことで「次また何かあるかな?」と人への注目をしやすくなります。

 

練習時の注意点

練習は、ただ回数をこなすだけだと、あまり学習できてない場合があります。

「ちゃんと成功させているか」というところがポイントです。

例えば、「オスワリ」を10回させる、という場合10回指示をだして、そのうち3回は座った、というのは3回しか練習していないという事になります。

そもそも、1回出した指示はやりきる、というのが前提になりますので、それが出来ない場合は、指示をまだ理解できていないか、練習の難易度が高すぎるので、いつもの場所だったり、周りに誰もいない時など、成功しやすい状況での練習からやりなおしましょう。

「オスワリ10回練習」は10回成功させる。という考え方が良いですね。

それも、「30回やって10回成功」よりも、「10回やって10回成功」とか「12回やって10回成功」くらいの高い成功率の方が良いですね。

10回やって10回成功する場合はその環境での練習はばっちりなので、難易度をあげていくと良いでしょう。

成功率が低い場合は、その環境ではまだ難しすぎるという事です。

失敗が続くと、何が正解なのかがわからなくなってしまったり、犬が自信を無くして座らなくなってしまうことがあります。

せめて6割くらいの成功率のところで繰り返し練習して、8割9割出来るようになったら、また難しくする、という風にすると良いでしょう。

繰り返し成功体験をさせることで、成功率が上がっていきます。

 

まとめ

練習は、ただやればいいというものではありません。

しっかりと目標を決めて、成功させることを意識してやっていきましょう。

成功させないと指示を理解できませんし、褒めることで犬の指示への意欲が高まります。

そして、いつでもどこでも出来るようにするには、いろいろな状況での練習が必要です。

普段からいろいろな場面で指示を出す練習を行なって、初めての状況でも対応できるようにしていきましょう。

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